GONETOWNについて考察
GONETOWN、gyosonのアルバムタイトル。
そして曲名は。
1.Dowhill
2.白夜
3.Moonfall
4.流刑地
5.Lowland
6.Homecoming
元はトーマなのだが、トーマは英字のタイトルが極端に少ない。
エンヴィキャットウォークのアレンジでようやく、envycatblackoutと出たほど。
しかし今回は名前すら英字になり、タイトルも半分が英字を含む。
エンヴィキャットウォークは作者コメントでこういうのがある。
『実は最初、この曲の主人公にモデルがいたのですが、作り上げていく過程で全然似なくなってしまいました。
こういうのが面白い部分でもあるのかもしれません。』
自分はその人に近づいているのではないか、というふうにも考える。
深く考えすぎかもしれないが、エンヴィキャットブラックアウトでも良かったはずなのに、前例を破っている。
そしてローランドでも良かったのに、Lowlandなのである。
moonfallなんて月面廃墟でも良かったのではないだろうか?
そうではないということは、そうでもない理由があるのだろう。
そうなのかどうか、すこし考えてみよう。
ちなみに個人の感想だらけなのでそういう見方もある程度で。
GONE TOWN。過ぎ去った、街。なくなった、街。
ジャケットでは、homecmingという文字に対し、重ねるようにGONE TOWNという文字のテープが貼られている。
ホームカミングというのは、自分の場所に帰るという意味。ホームとは家だが、帰省など帰郷も含む。
ホームカミングのCを読めなくさせるように、GONETOWNのテープが重なっている。
もう1つ、ホームカミングには学校などの異動した職員や卒業生を招待して行う学校行事という意味もある。
このアルバムが出た時のgyosonのTwitterはすごい賑わいで、連続的に投下されるリリックの欠片から、最終的なアルバム投稿まで、まさに卒業生(ファン)を招待しているようだった。
これは彼にとってのホームカミング、トーマが帰ってきたと。
しかし、ホームカミングさせないとGONETOWNが立ち塞がるアルバムジャケットは『懐かしむのは終わり』と言っている気がした。
Dowhillはダウンヒル、山を下るという。ちなみに歌詞からして、夏であり前進しているという印象が強い。
昔、トーマはハードルが上がりすぎてて下がった頃に作り始めると言ったことがある。というのも、本人は曲の完成度に満足していないのに周りは『皆、喝采』そんな状態を憂いた時があったようだ。
ダウンヒルというのは万全な状態で山を下る、まさに逆登山である。
突然消えたんじゃないよ、準備してから消えたんだよ、トラック番号の1を関するだけあり、そう感じた。
白夜。白い夜であり、文字通りの明るい夜を指す。
ちなみに山を下ってモルタルの街へ来た(白夜へ向かった)可能性がある。
理由としては夏には一日中太陽の方を向いている地域があるからだ。
曲自体は一転してダークに近づく。
宵(夜)よりも手に負えないとか、白々しい君を忌々しく思っているが、離れ難いらしい。
これは月から見た白夜に聞こえてくる。
月なら夜より手に負えない、白々しい君を忌々しく思っても離れることができないのも当然である。
月というのはトーマではよく出る単語で、月の嘘だったり月光の大都会など重要な要素である。月に自己投影しているのかもしれない。
だとすれば白夜は期待、それを引き起こす太陽は我々。
月は太陽の光がないと区別すらつかなくなるほど夜に溶ける。
月を光らせた太陽はもっと光らせようと輝く。
月では収まりきらないほど大きくなった日光は白夜と呼べるのだろうか。
moonfall。月、落ちる。秋の月。
fallには秋という意味と失脚、声望を失うという意味がある。
トーマは落ちて居ない、そんなイメージもあるが違う気がする。
秋の月は美しく、それには根拠があるほど。
歌詞に月が落ちるとあるが、降り立ったと考えることも可能。
良くなって帰ってきたぞって。そういう意味がmoonfallには込められていると信じている。
途中で挟まれる中国後韓国語などは翻訳すると簡単な挨拶になるらしい。
流刑地。辺境の場所。
流刑とは昔の表現で今で言う追放処分。送られる場所が流刑地。
ちなみに曲の中では冬になっている。
全体的に冷たい表現が多く、悠然と燃ゆ炎がどれほど大事か伝わってくる。
あなたの灰と記憶で生きているというのは本当だと思う。
心臓であなたの記憶で僕を返してとあるからだ。
そっといなくなる夢を見させて、というのも。
夢にも見る逃避行へ繋がる伏線に感じる。
Lowland。低地。
海抜の低い土地、歩き慣れた道ということで帰ってきた、通ったことがある場所なのが分かる。
具体的にどんな場所か想像する。
森があり、海岸沿い、そして青春があった、そんな場所。
廃景に鉄塔、千鶴は田園にて待つ。ではないだろうか?
教室に水槽があって海岸に魚が打ち上がっている。
田園に浸かって簡単なカメラで僕を写したという表現も、Lowlandの狂い咲く花の色フィルムに焼く記憶と近い。
そしてLowLandは悔やみ足りなくて原風景を君に見せたがっていたり、今の俺はどうかと、過去との比較が前面に出ている。
さらに『始まりの晩に失って』という部分。
千鶴は田園にて待つ。にも『静寂な夜を歩いた』とそこから不穏な展開で歌詞が続く。
実際、廃景に鉄塔、千鶴は田園にて待つ。は自分自身で歌うと決めていたようで、それには自己投影があるとどこかで聞いた。
それが本当なら、比較は当然である。
homecoming。帰ること。
この曲はマジでわからない。語彙力お化けで防衛されているので内容が深く読み取れない。
流刑地であなたを背負いこんで何を待つ?
それが新曲だとするなら、最近始まったレリック投稿は体現。
特に気になった歌詞を少しを引き抜く。
『苔むした線路に導かれてもいい』
これは廃景に鉄塔、千鶴は田園にて待つ。?
『猛然たる雷雨を』
流刑地の瞬く避雷針、私の未来にあなたはいない、綺麗な筆跡へと繋がってまた廃景に?
過去の言葉の使い直しは単純なファンサービスかもしれない。
それこそがホームカミングなのだから。
この辺で終わろうと思う。
全体的に作者に対する考察が多くなってしまうのは良くないと思いつつも、そうなってしまった。
これがただの作品だとしたら、GONETOWN内で完結する話なのだろうか。
『未完成の価値のどこかに期待』というフレーズがhomecoming内にあるので、もしかしたら過去作も重要かもしれない。
補完しているとも取れる歌詞も多い。
次のアルバムに期待! 今回も当日で買うぞ!